ドラムのミックス
今回はドラムのミックスについてさまぐらさんの「ダイブ!!」を例にして書いていきます。
僕は基本的にキック、スネア、OH、ハイハット、タム、Roomという順番で混ぜていきます。
1. キック
コンプでアタック感の調節、ベースとのかぶり取り除き、足りない音域のブーストの順番でやります。コンプは音を太くしたいときはVSC-2、アタックを足したいときはCLA-76を多用してます。どうしても埋もれてしまうときは最後の手段でV-compも使います。EQはPro-Q2とH-EQを主に使います。
僕はキックが下、ベースが上のミックスが好きなので40-200Hzをメインに使い、200-300Hzはベースに譲ります。後はアタックがボーカルにぶつからないよう3kHz辺りを削ります。
2. スネア
スネアは音源によるところが大きいので正直毎回処理はかなり違います。アタックや余韻はミックスでやるのに限界があるので音源の方での音作りをこだわってほしいかなと。
コンプ、EQの順に挿します。コンプの設定は音源によりまちまち。EQは音数が多い曲なら100Hzくらいまでカット。200-400Hzを削りキックやベースとのかぶりをなくし、1kHzをブーストしてアタックを強調します。音数が少ない曲なら300Hzや700Hzをブーストして音埋めにも使います。案外ハイは削った方が目立ちやすくなるんじゃないかなと最近思ったりしてます。
3. OH
あんまりいじりません。シンバルのピークがきつかったりスネアのハイが強調されて浮く場合には随時カットします。4kHz辺りを削っとくと金物とスネアやタムの分離がしやすくなるかなと
4. ハイハット
クローズハイハットとオープンハイハットの音量差が激しい時はまずコンプで揃えます。金物にはCLA-2Aをよく使います。200Hzまではカットし、3kHz辺りのボーカルとのかぶり、8,9kHz辺りのシャリシャリしたピークを削ります。僕はマスタリングでかなり高音をブーストしますのでここで削っとかないと後で困ります。僕にマスタリング依頼をされるときにはハイハットの音量は小さめ、高音控えめにしてもらえると嬉しいです。
5. タム
音源次第ですが始めにGateをかけて無駄な余韻を切ることが多いです。アタック控えめにして後ろに下げとくことが多かったのですが、ONE OK ROCKのWherever you are を聞いてちょっと考え方が変わったのでこれからは目立たしてみようかなと思ってます。EQはキック、ベース、スネア、ボーカルとのぶつかりを避けるようにカットしていきます。
6. Room
基本的にドラムにはリバーブやディレイはかけないのですが、部屋鳴りや奥行きを出すためにRoomの扱いは結構重要だったりします。音量0から徐々に上げていって、もやけてきたなというところでEQで処理します。200Hzと600Hzを削っとくとキックやスネアのもやけを抑えながら広がりを出せるのでおススメです。
7. ドラムトータル
バスでまとめてドラム全体に処理をしていきます。VCCのSSLモデリングがとても好みなので最初に挿します。地味なプラグインですが無いと結構困ります。H-compやCLA-76,VBCなどでパンチを出していくのですがパラレルコンプっぽくしたいのでmixは30%くらいにしてます。あとはEQで整えてマルチバンドコンプで余韻のコントロールや飛び出し過ぎなところを抑えていきます。低音のリリースを長めにしておくとドラム全体が太くなるので迫力だしたい時にはおススメかなと。