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ミックス/マスタリング解説(ベース編)

さてさて今回はベース編です。キック, スネアのミックスと並び, 悩みが多いパートですよね。僕のベースのミックスは三段階にわけてやっています。

① 音作り

② キックとのかぶり取り

③ 空間の埋め

 どのパートのミックスでも言えることなのですが「この処理ではこれをする!!」という明確な目標を作り, 順序立てて進めていくことでドツボにハマっていくことが減りますし, 後からどの部分を直せばよくなるかがわかりやすいですよね。それでは早速詳しい話に入っていきましょ~!

音作りアンプ(waves CLA Bass)→EQ(Air EQ)

【代替案】

REQ+Rコンプ→Q10

まずは① 音作りです。僕はチートプラグイン, wavesのCLA Bassを使っています。はい, 世界が変わります。フリーのベース音源をミックスすることも多々あるのですがこいつを使うだけで一気にそれっぽいベースになります。CLAシリーズはセールの時に全部買ったのですが結局Bassしか使ってないので購入されるのであればBass単体で買われるのが良いかと。とはいえやっていることはEQとコンプなので他のプラグインで再現することも可能です。EQで4~5kHzを2dbブースト, 40Hz以下をローシェルフで5dbブースト。コンプでアタック最速, リリース200ms, レシオ1:8, ゲインリダクション4dbほどで潰すと似たような音になるかなと思います。

 次に② キックとの被り取りですね。ここが一番の難所ですがコツは「3つ」です

その1 「低音の担当する帯域をしっかりと決め, それ以外は容赦なく切るべし!!」

 担当する帯域は最初の記事で書いたスケッチの時点で決めておきます。キックとベースの低音が被るのは主に100~200Hzです。どちらが100Hz辺りを担当するのか, 200Hz辺りを担当するのかをはっきりさせておきましょう。今回は45~110Hzがベースの担当ですね。なのでバッサリ200Hzあたりは切ってしまいましょう。

その2「意外と曲者, 400~500Hz」

 ベースは基本的に低音担当なので見落とされがちなのですが, キックとこの辺りも被ってきます。ここをそのままにしておくとボワボワとしたベースになってしまいます。どのみちスネアやボーカルとも被る帯域なのでバッサリ切りましょう。キックもこの帯域は切っておいてもOKです。ここで不安になるのが「400~500Hz切ったら音が細くなっちゃう...」というものです。ベースで曲に迫力を出したいので太い音が欲しいというのはわかるのですが, ボワボワとした音と太い音は全くの別物です。全体に広がって輪郭がないのがボワボワとした音。スッキリしてるのに妙に胸を揺らすのが太い音です。(比喩ではなく物理的に胸辺りに響いてくる音です)

その3「アタックがかぶりやがる」 

 もうなんなんでしょうね。キックとベース被り過ぎですよね, もう結婚しちゃえばいいのに。音源によるのですが大体アタックが1.5~2.5kHzらへんにあります。これが被るとキックとベースの輪郭が一気に無くなります。なので1.5~2kHz担当, 2~2.5Hz担当で分けるといいと思います。どちらかというとリズム隊であるキックのアタック優先ですね。

 ここまでがベースの基本的な処理です。ここからはかなり特殊な処理になりますので試してみたいという人は試してみてください。必ずしもいい結果になるとは限りませんが曲にハマれば武器になります。

 ルームリバーブ(UAD OCEAN WAT STUDIOS)→ステレオイメージャー(S1 imager)

【代替案】

 Truereverb(センドではなくインサート)→S1 imager

③ 空間埋めになります。①②で作ってきたベースを複製してそこにルームリバーブとステレオイメージャーを挿します。この時の注意点はセンドではなく直挿しであることです。何をしているかというと空間を埋めているんです。ええ, 埋めているんです。これは僕の完全なる好みなのですがスピーカーで聞いたとき, 低音にステレオ感が欲しいんですよね。なんか机の上に音が乗っかるような感じです。なのでフレーズを聞かせるのではなく, 精一杯広げて輪郭をぼやかしまくったベースを元音に少し混ぜることで低音の物足りなさを改善できたりします。

 ということでベース編でした。次はラストのマスタリング編にしようと思います。

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