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歌ってみたミックス解説2(アンノウン・マザーグース)

さぶろうです。今回は歌ってみたミックス解説パート2です!参考音源なのですが今回は非常に面白い企画に参加させていただきまして。へてさん(@hetetete)主催のミックスコンテストという企画で、一つの曲をAメロBメロサビなどのパートにわけて違うミキサーさんが混ぜていくというものです。ミキサーさんの個性が音に出ていて本当に面白い企画でした。僕はもじぞぅさんが歌うアンノウン・マザーグースの一番サビを担当しました。動画はこちら→【MIXコンテスト企画】アンノウンマザーグース【Vo : もじぞぅ】

 ということで今回はその音源の解説をしていきたいと思います。機材の詳しい説明などは前に書いたオススメプラグインの記事を読んでもらえると嬉しいです。

【メインパート】

LA-2A→NEVE 1073→Air EQ→Transient Master→Q4

 まずはコンプで音量を整えます。LA-2Aは神ですよね。ゲインリダクションがピーク時に-5dbくらいになるよう設定しています。

 次にEQです。男性ボーカルなので低音のもやけを削ってハイを上げていく方向性でやりました。1073で2-3kHzと10kHz以上をブーストして、Air EQでオケとのかぶりを削っていきます。300Hz、900Hz辺りを削ってますね。

 後でコーラスなどと混ぜていくと少し埋もれ気味になってしまったのでTransient Masterを使ってアタックを強めています。とても便利。一家に一台欲しいですよね。

 最後のQ4なのですがこれはピーク取り専用ですね。カ行の時に1.5-2.5Hz辺りからコンコンという鳴りがしていたので(伝われ)そこをQ狭めで削っています。

 オートメーションはこんな感じで書いています。急激に音が大きくなるところを下げて音量を揃えたり、ここは目立たせた方がノリがでると思った所のアタック部分を上げたりしてます。このアタックを上げる作業をするかしないかで雰囲気がガラッと変わりますんで頑張りました。この作業大変ですけど結構好きです。

【ハモリパート】

1176→Air EQ→PRESSWERK

 ハモリパートはメインよりもしっかり潰しておきたいのでアタックリリース最速レシオ1:8で潰した後、PRESSWERKでアタック感を調整しています。

 EQなのですが個人的にオススメなのはメインパートのEQをコピーしてきて少しだけ周波数をずらすというやりかたです。下の写真をみると形はほぼ一緒ですが微妙にずれてますよね。(左がメイン右がハモリ)。難しいこと考えなくても結構これでハモリパートがメインパートを邪魔するということが減ります。是非お試しを。

【コーラスパート】

1176→Air EQ→PRESSWERK

 やっていることはハモリパートと全く同じです。コーラスはPanをサイドに振ってあるのでハイを強調して空間の広がりを強めています。コンプはセンターに近いものほどアタックを潰し、サイドにあるものほどアタックを強めることがポイントです。

 ハモリパートは4トラックあるのですが、それをバスにまとめてMS処理EQでメインパートとかぶらないようにミッドを削り、その分サイドを上げて広がりを出しています。(下の写真)

【ウォーオーオーパート】

Rcomp→Air EQ

 サビ終わりのウォーオーオーというコーラスパートなのですが尖りすぎず潰れすぎずな音が欲しかったのでRcompを使ってます。これもセンターに近いものはしっかり潰し、サイドに振ってあるものはアタックを出す感じですね。

 トラックが4つあったのでバスにまとめて処理したのが下の写真です。UADのocean way studioをインサートして奥行きを作ってMS処理EQで更に広げてます。最後にH-compでガッツリ潰した音を混ぜて厚みを増しています。

【英語パート】

 基本の処理はコーラスパートと一緒なので省略しますが、一番最後にラジオボイス的な加工をしたトラックがあるのでその解説です。wavesのCLA Effectというプラグインを初めて使ってみたんですが歪を加えた声を作るのにめちゃくちゃ便利ですね。

 ダブラーをインサートしてセンターの音をOFFにしてサイドの音だけを出すと広がった音を作れます。これは広がりを出したいハモリパートでも良く使います。

【空間系】

 ディレイは1/4でフィードバック1でかけてます。全体的にふわっとした空間を作りたかったのでピンポンディレイにして横の広がりを作って更にステレオイメージャーで広がりを調節してます。結構深めにかけてるのでディレイ音が目立ち過ぎないようにローパスを2kHzくらいまでかけてます。

 リバーブはいつものこの三つです。メインパートにはプレートリバーブを多めに、コーラスパートにはホールリバーブを多めにかけています

【マスタートラック】

 VTM→Ozone→ディエッサー→Pro-Q2→invisible limiter

 今回は2mixで音源を提出だったのでマキシマイザーで音圧上げたりはしてません。VTMで音を明るくしてマルチバンドコンプとディエッサーで飛び出た周波数を潰し、EQで軽く整えて終わりです。最後のマキシマイザーはクリッピングしないようにのお守りみたいなもんなので全く潰してないですね。

 以上が解説でした。本当にこういったミックス企画は貴重ですし面白いのでやってるのを見かけたら飛びついていこうと思ってます。(お誘いお待ちしております)

 ありがたいことに今回企画を通して新しく知り合った方が僕のブログを結構読んでて下さっててめちゃくちゃ嬉しかったです。これからも細々と書いていこうと思ってるのでよろしくお願いします~

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