【Analog Magpha EQ】オススメのマスタリング EQ
今回はイチオシのマスタリングEQを紹介しようと思います。まずマスタリングEQとして使いやすいEQの条件とは何でしょう?僕が重要視しているのは以下の3点です。
①削った時の音の変化が少ない
②MS処理ができる
③ブーストした時に広がりを得やすい
僕は今までマスタリングにはPro-Q2とbx-digital v2を愛用してきました。詳しくは過去の記事を読んでいただければと思います。非常に使いやすいこの二つなのですが、やはり苦手なところはあります。
Pro-Q2: MS処理した時によく広がる分音像が崩れがちになる
bx-digital v2: 変化がクリアすぎて広がりが得にくい
どちらのEQも長所が強すぎるが故に同時に短所も生み出しているといったところです。なんか広がりとクリアさをバランスよく両立できるEQないかな~と探している時に出会ったのがそう
【Analog Magpha EQ】でした
このEQを初めて見たときの正直な感想を言うと
「えっ、なんか地味」
...だってモノクロだしつまみ白い点ついてるだけだしアナライザーついてないし...
Pro-Q2やbx-digital v2と比べるとめちゃくちゃシンプルなデザインだったのでかなり不安でした
しかし!!デモを使ってみるとなんじゃこりゃ!!すげぇ!!
なんということでしょう!匠の力でかつてないほどにクリアに音が広がっていくではありませんか!!
形容しがたいんですが、2mixで張り詰めた糸がたわんだりせず張り詰めたまま空間に広がっていく感じ!(伝わらない)。音が変に丸っこくなったりぼやけたりしないんですよね。なのにしっかり広がっている。すごい。
ちょっと今まで使ってきたEQには無い感覚と衝撃でしたね~
軽く機能を説明しておきます
・ローシェルフ+ハイシェルフ+6バンドの構成
・ステレオモードとMSモードを各バンドごとに変えられる(一番下のスライダー)
・Gainは±9db
・Freqの初期位置が人間の聴覚特性から考えられた低音、中音、高音になっているため動かさな
くても良い結果が得られる(20、63.24、200、632.45、2000、6324.55、20000、20000)
・位相の変化が少ない(メーカーのイチオシポイント)
EQカーブが見えないため細かい調節は難しい部分があったりしますがQ広めでブーストした時の音が気持ちよすぎるので何も気になりません。(細かい調節はPro-Q2やbx-digital v2にまかせてます)
僕の個人的なオススメ使い方ですが
①63.24Hz(初期位置)のサイドを3dbほど思い切ってブーストしちゃう
②ローシェルフで20Hz以下のミッドを少しブースト
③8kHz辺りのサイドをブースト
④ハイシェルフで高音をブースト
①ですがこれはホントに僕の個人的な趣味で低音に広がりのある音が好きなんですよ。本来であればここのサイドはカットすべきところなんですが、このEQだとブーストした時ドストライクな音なので騙されたと思ってやってみてください。
②ではキックのドッシリ感がアップします。結構存在感が変わりますね
③は金物やギターの高音部分にかかってくるんですが音の詰まりが解消されてスッキリした印象になります。普通のEQだと金物がジャリジャリしてきて耳に痛かったりするんですがAnalog Magpha EQは高音の処理が凄く丁寧で、過剰にハイシェルフとかで上げたとしても音が不思議と破綻しません。すごいです。
以上がAnalog Magpha EQの紹介でした。値段も£ 110 (16000円程)と特別高いわけではないので買っといたら絶対に損は無いプラグインだと思います。サイトがこちら
最近お手伝いした動画をマイリスで見てるとマスタリング担当が圧倒的に増えてきてて、新規の依頼でもマスタリング依頼が来ることが多いので完全にマスタリングする人のイメージが定着してきたんだな~としみじみ思う今日この頃です。